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秋田おばこ~咲かねば日陰の色紅葉 [スタディ民謡・伝承音楽考]

民謡の歌詞。
これがなかなかクセモノ。
地方の方言がはいっているとはいえ日本語であって、ほぼ現代語であるにもかかわらず、意味がよくわからないものが非常に多い。
ある意味、外国語の歌詞よりもわかりにくいかもしれません。

不思議なことに、”何々流”などという民謡の流派の社会では、歌詞の意味をとことん調べて理解するということがあまり熱心には行われていないようです。
なぜなのかよくわかりませんが、歌を聞いただけでは歌詞の意味がほとんどわからないにもかかわらず、歌詞研究が少ないので、私にとっても謎のままの歌詞がたくさんあります。

「民謡・伝承音楽考」というカテゴリを作って、「日本の民謡の歌詞の意味」を含めて、さまざまな民族音楽、伝承音楽について考えてみたいと思います。
解説ではなく、ああだこうだと考えるページです。
あちこちのブログやホームページに時々書き散らかしたものもあるので、おいおいここにまとめてみたいと思います。

まずは手始めに、久々に歌うことになった「秋田おばこ」(秋田県民謡)について。
歌詞をとりあえず三番まで挙げてみました。
簡単なようでいて、なんだかよくわからない歌詞です。

----------------
<歌詞>
1.おばこナー(ハイハイ) 何ぼになる(ハイハイ)
 この年暮らせば 十と七つ(ハァ オイサカサッサ オバコダオバコダ)

2.十七ナー おばこなど 何しに花コなど 咲かねどナ

3.咲けばナー 実もヤ生る 咲かねば日陰の 色紅葉
----------------

一番は、「娘さんよ、歳はいくつになるんだい?」と問いかけられて、「この年を暮らせば十七歳になります」と答えています。
昔の年齢は、お正月に一斉にひとつ歳をとったわけだから、「この年を暮らせば」ということは、「次のお正月が来れば」という意味でしょうね。
正月が来たら17歳、ということは今、かぞえで16歳、満にすれば15歳。

二番が謎です。
十七歳だとわかった娘っこに話しかけています。
「十七歳なら娘盛り、なぜに花を咲かせないの」
花を咲かせるというのは、恋するという意味でしょうね。

で、三番です。
「恋して花が咲けば実もなる」はわかるけど、「花が咲かなければ、日陰の色もみじ。」って・・。
「おばこに花が咲かなけりゃ、実もならず、日陰のもみじで終わっちゃうよ」とか言っているわけ。

要するに、ナンパの歌ですか?
それに、色もみじだって上等だよねえ。

しかし、少し歌の背景を紐解いてみますと、「秋田おばこ節」の起源伝説というのがあって、秋田県の田沢村に流れてきた上野国(こうずけのくに)の浪人弥生兵庫之介の息子弥兵衛と、土地の豪農源七の末娘(おばこ)の悲恋物語であると伝え残されているそう。

豪農源七の末娘はどうなったのでしょうねえ。花咲くこともなく、一生を終えてしまったのでしょうか。
こんな悲恋を偲んだ歌だとすると、若さの輝きをいとおしむような、また別の情感が湧いてくるような気もしますが、この伝説についてはまたちょっと調べてみましょう。

わからないものといえば、「オイサカサッサ」のようなお囃子。
いろいろな種類のオハヤシがありますが、意味は定かでなく、ヘブライ語ではないかといわれているものも結構たくさんあるのですよ。

「秋田おばこ」には、とても素敵な踊りがついていて、日本の踊りを習う会でも、この秋田おばこの踊りを習いました。
教えてくれたのは、男の体育の先生でしたが、乙女以上に乙女らしい踊りを踊る人でした。
生徒のほうは、20歳代後半以上、40歳代くらいまででした。
かすりの着物に赤い前掛け、茜色のタスキ、脚絆に手甲、頭には手ぬぐいを姉さんかぶりといういでたちで踊ります。
「秋田おばこ」の踊りは30歳以上は禁止!とかいいながら、みんな踊ってましたね。
私はその頃、もう40歳は過ぎていましたが、衣装をつけた自分の姿の鏡でみて、「わあ、めんこい」とか言っていました。なつかしいなあ。
いうまでもなく女性の踊りですが、踊りの会では男性も踊っていました。
男性が長半纏など着て、女性とペアで踊るのもよいものです。

You Tubeより。正真正銘の娘さんが歌って踊っている「秋田おばこ」。由利高校民謡部の乙女たちの「秋田おばこ」です。


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さきしなのてるりん

人に気付かれないうちに枯れていく。
子をもうけないまま生涯を終える。
そのように切ない女性。日本的と言えばいえるかも。
おばこのイメージから受ける明るさとはずいぶん違う伝承があるんですね。
それにしてもこの民謡部、踊りも演奏も大したもんですね。
by さきしなのてるりん (2012-05-17 11:05) 

rtfk

民謡や伝承の歌詞には
それぞれ歴史に裏打ちされた意味や物語があると思えば
聞く姿勢も変わってきます(^^)

by rtfk (2012-05-17 14:09) 

ため息の午後

地方、地方の方言、面白いですよね。
意味が伝わらなくてもその地方の魅力を感じることも
あります。 いろんな地方の文化がこれからも継承
されるといいですね(笑)。
by ため息の午後 (2012-05-17 20:08) 

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